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2018 Mido 新作紹介 ROBERT MARC(ロバート・マーク) 前編

こんにちは、宮前です。

2018Midoで発表されたROBERT MARCの新作コレクションをご紹介します。

 

今季コレクションの舞台となるのは青の洞窟があることで有名なイタリア南部のナポリ湾に浮かぶ孤島、カプリ島です。

遥か時を超えて、カプリ島は芸術家や詩人、上流階級の人々の想像力を掻き立ててきました。

この類稀なる地中海のパラダイスは古くから華やかなローマ文化にギリシャ文学、ハリウッド映画の名作に最新のファッションに至るまで、カプリは古きものと新しきもの、双方の最良の部分を取り組みながらイタリアの最も魅惑的なリゾートへと昇華しています。

「僕は瞬時にカプリに恋をしてしまったー日常と隔絶されたシックなイタリアン・リゾート。カプリの濃紺の海にそびえ立つ断崖絶壁のドラマティックな景観はとてつもなく美しい。今期のコレクションはカプリの強烈な色彩と芳香、またそのカジュアルかつ優雅なライフスタイルにインスピレーションを受けたんだ。」とロバート・マーク氏は言います。

 

「カプリ島は常に変わらないところが大好きだ。誰もがせかせかしていないし、一日が静かに流れてゆく。全てがあるべき姿としてある。」

2018年春夏コレクションは、カプリの景観と、その素晴らしい暮らしを表現しています。

 

今回の前編ではカプリをイメージしたカラー展開をご紹介。

まずはウィメンズコレクションより。まさにカプリそのものを表現したフレーム・カラーは優雅でシック、魅惑的です。

 

Mod.886 Col.364

 

Mod.941 Col.364

 

Col.364:Black Linen(黒い麻)

 

 

Mod.887 Col.365

 

Mod.942 Col.365

 

Col.365:Terrazo(大理石柄)

 

Mod.888 Col.366

 

Mod.943 Col.366

 

Col.366:Capri Tortoise(カプリトータス)

 

Mod.886 Col.367

 

Mod.942 Col.367

 

Col.367:Bella Rose(ローズピンク)

 

Mod.889 Col.368

 

Mod.941 Col.368

 

Col.368:Blue Grotte(青の洞窟)

 

続いてメンズコレクションです。島の洗練された悠久の暮らしを表現しています。

Mod.890 Col.369

 

Mod.944 Col.369

 

Col.369:Mahogany(マホガニーブラウン)

 

Mod.891 Col.370

 

Mod.944 Col.370

 

Col.370:Grey Cliff(グレー色の崖)

 

Mod.890 Col.371

 

Mod.944 Col.371

 

Col.371:Blue Bay(青い海の色)

 

Mod.891 Col.372

 

Mod.944 Col.372

 

Col.372:Vintage Crystal(ヴィンテージクリスタル)

 

Mod.891 Col.373

 

Mod.944 Col.373

 

Col.373:Vintage Pink Crystal(ヴィンテージピンククリスタル)

 

どれもカプリを感じられる素敵なカラーばかりです。

後編では、チタンとアセテートのコンビネーションをご紹介します!

 

※ご紹介した商品は6月頃入荷予定となっています。

 

2018春の展示会 Living Room at CASE B(パーティー編)

展示会の初日はReception Partyを開催いたしました。今回のレセプションパーティーはグローブスペックスの会場の向かいで展示会を行っていたGarrett Leight California Opticalとのコラボ企画によるパーティーでした。ビジュアルにご協力いただいた方々も多く来場いただき大変盛り上がりました。

それではパーティーの様子をご覧ください。

たくさんの方々にご来場いただきどうもありがとうございました。

会場全体が笑顔に包まれた夜でした。

また秋の展示会で皆様にお会いできることを楽しみにしています。

Photo by SUGURU SAITO

 

2018春の展示会 Living Room at CASE B(商談編)

先週の4月10日から12日までの3日間、原宿のCASE Bにて春の展示会を開催しました。今年の展示会は「No eyewear, no look」をテーマに街の風景の中で、ハッと目が奪われるドラマチックなアイウエアを掛けた人達にフォーカスし、様々なアイウエアによって生み出される新鮮な表情を撮影。当日の会場がたくさんの表情豊かな人々のビジュアルで埋め尽くされました。

今回は初めての会場での開催で、慣れない中の搬入となり、Displayも前日まで試行錯誤の中、やっと完成へとこぎつけたスタッフ達の努力の結晶でした。

全てのブランドの新作も到着し、前週に行われたGERNOT LINDNERもなんとかDisplayを完成させていざ、展示会スタートです。

GERNOT LINDNER

 

Anne et Valentin

 

GLOBE SPECS

 

Robert Marc

 

Lunor

 

LaLOOP

努力の甲斐あって、展示会期間中はどのブランドも大盛況。アポイントのお客様だけで終日満席で予約なしのお客様をお受けできない状況でした。

みなさま、いつもグローブスペックスの展示会を楽しみにしていただいており、会場内の様子を写真に撮る方々が多くいらっしゃり、今回のアイウエアの提案もとても興味深くご覧になっていました。

そして今回はLesca LUNETIERよりディレクターのマチュー氏が来日していました。

日本のバイヤーの生の声や意見を聞きたいと商談にも気さくに仲間入りして楽しそうに話していました。

お客様からの色々な話を聞いて参考になったことが多くあったようで、次回は是非ジョエルさんも連れて来たいとお話されていました。商談の合間に子供達からかかって来た国際電話におどけた表情で笑わせていて、電話口の子供もキャッキャッと楽しそうにしていたのが印象的でした。

 

そして初日の夜はレセプションパーティーを開催しました。今回のレセプションパーティーはグローブスペックスの会場の向かいで展示会を行っていたGarrett Leight California Opticalとのコラボ企画によるパーティーでした。

続く

GERNOT LINDNER ローンチイベント

グローブスペックスが日本総代理店を請け負う新たなブランド「GERNOT LINDNER」のローンチパーティーをラッセンブリ広尾で行いました。

前評判も相まって、「GERNOT LINDNER」のスターリングシルバーのコレクションを一目見ようと、そして久しく来日がなかったアイウエア界の重鎮Gernot Lindner氏の来日を心待ちにしていたたくさんの方々がパーティーへいらっしゃいました。

ローンチイベントは和やかな雰囲気の中で行われ、今までに見たことのないこの美しい純銀コレクションを眺めては感嘆の声をあげていました。

それではその様子をご覧ください。

通常のレセプションパーティーと違い、来てすぐに帰られる方がほぼいない、居心地と雰囲気の良さで皆さんずっと楽しそうに語らっていらっしゃいました。

そう、Gernotさんと奥様のBarbaraさんのこの表情を見ればもうお判りですね。

彼らの優しい眼差しとウエルカムな雰囲気についついみなさんが寄って行ってしまうのですね。そしてそれに嬉しそうに答えるGernotさんの姿勢にさらに魅了されたくさんの方がお話なさっていました。

「僕のベイビーなんだ、このブランドは」と話していたGernotさん。長年作りたいと切望し、信頼する人々と作り上げた渾身のコレクションは自身の名を冠した自信作で、その美しいシルバーコレクションに誰もが魅了された夜でした。

店頭でのご紹介はあと少しお待ちくださいませ。

準備ができましたら、またこちらでご紹介させていただきます。

Photo by KAZUKI MIYAMAE

 

Gernot Lindner コレクションの誕生(後編)

グローブスペックスの他のメンバーもゲルノット氏のデザインを目の当たりにすると、一様にその美しさに対して驚くほどの感嘆がありました。

昨秋にゲルノット氏を訪ねてインスブルックに行った際にも、店での取り扱い以外に日本での総代理店をやる事も考えて欲しい、と言われていました。これだけ美しく、高いクオリティーで完成されたゲルノット氏のコレクションですから、こちらからも望むところでした。
今年に入って直ぐにもう一度ヨーロッパを訪ねるタイミングを話し合い始めました。

2月に入ってから直ぐくらいがタイミングが良い、との事で2月の1週にまたヨーロッパに行く事になりましたが、今回はなぜかインスブルックではなく、ミュンヘンから車か電車で2時間ほど行った町にある、コレクションの工房がある場所にぜひ来てくれないか?と言ってきました。
最初にインスブルックでコレクションを見た際に、スターリングシルバーの難しさを克服するために数年間努力を重ねて研究してきた、と言われていたので、「ああ、それがどう言った事なのかを紹介してくれるのだな」と理解しました。
5年前、2013年にフランスのLesca Lunetierを紹介し始めた頃、レスカのデザイナーであるジョエル氏にフランスの伝統的な眼鏡生産地であるジュラ地方の工房や職人の作業を紹介され、深く感銘を受け、その眼鏡の背景にある世界を雑誌に紹介して頂いた事がありました。今回のゲルノット氏の新コレクションも、眼鏡の背景にある世界や人が大きく関わっている事が想像出来たので「雑誌の人達と同行して、記事にして貰っても良いですか?」とゲルノット氏に尋ねてみました。「そんな事が出来るのか?ぞれはぜひ!」との回答をでしたので、Gernot Lindnerのコレクションも雑誌取材を兼ねてドイツに向かうことになりました。


飛行機に乗る事11時間くらい、2月のミュンヘンに着いてみると、小雪との予報でしたが空港から一面銀世界でした。

そこから電車で2時間ほど行き、Passauと言うドイツ東南の端にある町に着きました。ゲルノット氏が駅まで向かえに来てくれ一行は山の中にあるホテルへと向かいました。

Passauの町はドイツの地方都市といったところですが、我々が向かう工場はそこからかなり山の中に入ったエリアにあります。ジュラの山村を思い出します。夏場は農業や放牧が盛んであり、有名なゴルフコースなどもある様ですが、銀世界の2月は閑散としていました。ホテルから5分ほど車で走ると、雪が積もった丘陵に目指していた工場が見えてきました。


早速一代で工場を立ち上げたヘルムート氏と、一緒に工場を運営するご子息のラルフとマニュエルに紹介されました。ヘルムート氏は「久しぶりだね!」と挨拶してきました。どこかで見覚えがある、と思っていたら20年前にグローブスペックスを立ち上げた際に、シュツットガルトにて、ゲルノット氏より技術者として紹介されて会っていた方でした。

(前列左からマニュエル氏、ラルフ氏、ゲルノット氏、岡田、ライター板倉氏)

またゲルノットの新しいコレクションがスタートする際に、物作りの面からデザイナーを支える技術者の方に再会出来た事はとても嬉しくありました。

ミーティング室でコレクションの概要と、工場の簡単な説明を受けた後、いよいよスターリングシルバーの眼鏡コレクションを実現した製造の現場を見せて貰う事になりました。

工場スペースに入ると一つのスペースだけでちょっとした体育館くらいの広さがあります。

様々な機械がありましたが「どの辺がスターリングシルバーのためのエリアなのですか?」と尋ねると、「この部屋全体がスターリングシルバーだけのための製造スペースなんだよ」とのことです!こんなに大きなスペースと、実に様々な機械が置いてありますが、これが全てスターリングシルバー眼鏡の製造だけに使われている!驚きました。
確かにここには、幾つかの工場スペースがあり別の部屋には、他の金属素材の加工、メッキ、プラスチック素材の製造加工のスペースなどが分けられていました。
でも全体の中でも純銀製の眼鏡の製造に特化したスペースは特に大きく、このコレクションに賭けるゲルノット氏とヘルムート氏の意気込みが感じられました。

一つ一つの工程と機械の説明を受けていくと、なるほど、全ての工程に純銀を扱うための細かい配慮がなされており、また他の金属素材には使わない専用機械や金型が多く使われていました。企業秘密の部分も多いので細かい説明は割愛させて貰いますが、


例えば純銀部品同士を接合する方法も、通常眼鏡で行うロウ付とは全く異なっていました。そして美しい光沢を持つ素材を傷付けないように、使われる金型にも特別に微細な研磨が施された、驚くほどスムースな感触の道具が使われていました。

これらの製造機械や道具も、全て自社工場で開発して作ったそうです。ゲルノットの繊細で美しいデザインを実現する工程は、それそのものが拘りと微細な配慮の連続でした!

 

 

全ての工程を見て説明を受け、よりコレクションに対しての惚れ込みと日本で紹介する事への自信が持てました。同行した編集者の方とカメラマンの方は、お2人とも今まで眼鏡を掛ける事は無かったそうですが、今回の取材を通じて2人ともGernot Lindnerをとても気に入って頂き、眼鏡デビューする事になりました!デビュー眼鏡がGernot Lindnerとは何とも贅沢ですが、Passauまで一緒に来て頂いた取材の記念としてぜひご愛用頂きたいと思います。


この工場ではもう一つ嬉しいニュースがありました。ブリッジを鼻に直接乗せて掛ける一山式ブリッジのタイプは、欧米の仕様のままで掛けられる日本人の方は少ないのです。

昨秋にゲルノット氏に会った際には、「日本からの注文がある程度まとまった数に達したら、アジア仕様の一山式ブリッジを作る事が出来る」と言われていたので、始めは欧米式のままでも掛けられる人達のために少量から導入し始め、後から日本仕様をまた交渉しようかと考えていました。


なんとゲルノット氏とヘルムート氏は、今回の我々の訪問に先駆けて日本仕様の準備をしてくれていたのです!同行した日本人4人それぞれが、プロトタイプの一山式ブリッジの純銀製の眼鏡を試してみると、誰が掛けてもピッタリです!

これで始めから日本のお客様にも掛けやすいGernot Lindnerコレクションが紹介出来るメドが付きましたので、大きな努力と投資を行って日本のユーザーをも喜ばせてくれようとしたゲルノット氏とヘルムート氏に心から感謝の意を伝えました。

 

滞在の期間中はずっとドイツバイエルン地方ならではの料理とビールが振る舞われ、皆でこの素晴らしいコレクションの誕生をお祝いしました。

この取材記事はエイ出版社から2月24日に発売されたClutch Magazineに掲載されています。

そしてこのGernot Lindnerコレクションの日本でのデビューにあたり、ゲルノット・リンドナー氏自身が4月の第1週に来日されました。メディア取引先の方々へコレクションをご紹介するレセプションを開催し、また4月7日(土)には1日だけユーザーの方々にも直接ゲルノット氏から全てのモデルをご紹介出来る特別なイベントをグローブスペックス渋谷店で開催し、大変な盛況で日本デビューを果たしました。

今現在日本仕様のモデルの一部を待っているところですが、間もなく店頭でもご紹介出来る様になりますので、もう少々お待ち下さい。お楽しみに!

 

 

 

Gernot Lindner コレクションの誕生(前編)

こんにちは。グローブスペックスの岡田です。

1990年にブランドが誕生し、グローブスペックスをスタートした1998年以来ずっと紹介し続けてきたドイツのルノア。世界的に有名なアンティーク眼鏡のコレクターでもあるゲルノット・リンドナー氏が創始者でありデザイナーでした。ゲルノット氏の豊富なアンティーク眼鏡の知識が生かされ、ルノアの眼鏡のデザインには、アンティーク眼鏡からインスピレーションを受けた美しいデザインディテールや機能的な機構などが施されています。

グローブスペックスが誕生してから20年間、大変多くのファンに愛されてきたブランドであり現在でも大人気です。世界的にも、スティーブ・ジョブス、エルトン・ジョン、ジョニー・デップ、マドンナ、メグ・ライアン、ブルース・ウィリスなど、多くの著名人にも愛用されてきました。


ゲルノット氏のデザインの極意は、プロポーションとバランス。デザイン全体の中に割り振るレンズの形や大きさ、ブリッジ、テンプル、そしてもっと細かい小さな部品の数々。

 

それら全ての「プロポーションとバランス」の煮詰めが素晴らしいのです。そしてまた、ゲルノット氏の頭の中にある、中世からのアンティーク眼鏡の美しいディテールエッセンスが奢られるのです。

たとえその様な背景など知らなくても、メガネ自体が強力なオーラを持っていて、派手では無いのにグローブスペックスを初めて訪ねるお客様でもディスプレイの前に足が釘付けになり、試着し始める方が今も数多くいらっしゃいます。

 

2010年を過ぎた頃から、ゲルノット氏は少しずつデザインから遠のき始めました。

「ゲルノットもそろそろゆっくりした時間が欲しいのかな・・」などと思っていました。

 

数年音沙汰がなかったのですが、一昨年にゲルノット氏から「テツヤ、今新しいコレクションの開発と研究に取り組んでいるので、出来上がったらぜひ見てくれないか?」と連絡がありました。
「そうなんですね!いつ頃出来上がる予定ですか?」と尋ねると、「非常に美しいコレクションになる予定なんだが、難しい課題もあり、あと少し時間が必要なんだ」と答えてきました。「では用意が出来たら連絡を下さい。その際には伺って見に行きますので!」とその場を締めくくりました。

 

それから1年ほどが経ち、昨年の春に「前に伝えていたコレクションがついに完成したんだ。ぜひ見に来てくれないか?」と言う連絡を受け、昨年の秋にパリで行わる展示会に行った際、ゲルノット氏が居るオーストリアのインスブルックに行く事になりました。

オーストリア、チロル地方の州都で、冬季オリンピックも2回開催されたことがあり、ウインタースポーツや登山で有名な美しい山間の町です。

空港まで4WDの車で迎えに来てくれたゲルノット氏は、数年ぶりに会いましたが以前にも増して元気そうな様子です。30分ほど車を走らせて山道を登っていくと、目線の高さに雲が見える山あいに、ゲルノット氏の自宅兼デザインアトリエがありました。


「これなんだ。テツヤ、見てくれ」、と言われて見せられた新しいコレクションに驚きました!

「これは予想をはるかに超えてきた!」と言うのが、Gernot Lindnerコレクションの最初の印象です。そして一つ一つディテールを見ていくと、やはりゲルノットのアンティーク眼鏡の知識から、今回のコレクションにもアンティーク眼鏡のエッセンスが非常に効果的なディテールとしてふんだんに盛り込まれています。

「全てスターリングシルバーで出来たコレクションなんだ」。美しい色味と光沢は純銀の素材からきているものでした。中にゴールド、ローズゴールド、少しだけグレーみが掛かったパラジウムの色のモデルもありましたが、それらも全て純銀の上にコーティングが施されたものでした。


時折お客様からも「純銀製の眼鏡は無いのですか?」と問い合わせを受けることがあり、自分自身も純銀の質感はとても好きなので以前眼鏡の素材として純銀を使用したブランドを扱ってみたことがありますが、素材がかなり柔らかいため理想的な調整状態を維持することが難しく、すぐに曲がってしまう事が難点でそれ以来純銀の眼鏡は取り扱っていませんでした。

その危惧もあって、ゲルノット氏のコレクションのテンプル(ツル)を少し曲げてみたり、バネ性を確かめようとして素材を押し曲げたりもしてみました。「なんだ!この感触は!?」。以前に扱ったことがある純銀製の眼鏡とは全く異なる感触です。「すごいだろ?この弾性と剛性を持たせるのに3年間ほど職人達と共に研究を重ねていたんだ。やっと眼鏡に不可欠の快適な弾性と、調整を安定させるクオリティーが出来上がって、コレクションが完成したんだ!」。興奮気味に話すゲルノット氏の様子から、今までの苦労と努力がやっと実を結んだことが感じられました。

「このクオリティーなら自信を持って日本でも紹介出来る!」と確信しました。でもこの作り込みと純銀素材の組み合わせであると、相当高額なのでは? と思ってヨーロッパで発売開始したばかりの値段を尋ねてみると、なんと日本円で10万円を切る価格だったのです。
理由を尋ねてみると、「中間業者や部位によって他の業者と分業するのでは無く、全ての部品と工程を昔から一緒に眼鏡作りをしてきた有能な技術者の工場で一括して作ったことで余計なコストが抑えられ、この価格が実現出来たんだ」。

これはもう迷うところは無い!と思い、その場で最初に日本で紹介するモデルの選定をし始めました。

日本に帰り、2017年の暮れには商品が到着する予定でしたが、少し遅れて今年の年明けにGernot
Lindnerのコレクションは日本に到着しました。 (後編に続く)