再び岡田です。今回は画像も多めでご紹介します。
ヨーロッパから戻り、また数日でNYに発ちました。NYはいつ帰ってきても新しいエネルギーに溢れているので、元気になる街です。小学生の頃と20代に仕事で数年を過ごした街ですので、「戻ってきた」と言う感覚もありますが、毎年来て居てもどんどん変化する街なので、NYにはいつも新しい発見があります。
NYの街を象徴するウォールペインティング
最初に商談をしたのがRVS。会場ではなく街中の新しいホテル、Mondorian Soho に向かいました。様々なショップと共に毎年新しいNYの表情を作り上げているのがホテルです。SOHO、ミートパッキング、ブリーカーストリート、イーストビレッジなど、NYの中で話題の新しい地域はどんどん移っていきますが、この新しいホテルがある地域はSOHOの中でも一番東側の端にあり、イーストビレッジとの境界辺りです。周囲にもSATURDAY SURF など日本でも話題になっているブランドの店舗が並んでいて、また新しいNYの顔を作っていました。
新しいホテル、Mondorian SOHO
全てがマット仕上げで、クラシックな色と、ターコイズやオレンジなどカラフルな色の組み合わせが自在に出来るトルコのブランド、RVS。今回は明るめの新しい色の提案が幾つもありました。日本と海外の色の傾向の違いをデザイナーのVidalと情報交換したところ、明らかに海外の方がカラフルでポップな色使いを好む傾向でした。提案を受け入れて、今回は少し明るめの色を仕入れてみました。ただしRVSはマット仕上げなので、明るい色も派手になり過ぎないから、意外に掛けやすいと思います。入荷したらぜひ試してみて下さい。アイウェアの色の新しい可能性が発見出来ると思います。
ミラノのMIDOで多くを見ていたため、会場内ではビジネスのミーティングと、新しい技術情報の収集のためのセミナー参加が中心でしたが、MIDOで迷っていたブランドの仕入れなど、一部新しいものを取り入れました。
ヴィジョン エクスポの会場
まずFrench Vintage, Lesca Lunetier。ここ数年の事ですが、リーディング・グラスの格好の良さが認められてきています。ハーフアイと呼ばれる天地の浅い小型のメガネがその代表ですが、海外でもなかなか良いハーフアイが無いのが現状です。オーセンティックさと楽しさのあるブランドをリサーチしていましたが、選んだのはこのブランドでした。
パリに居を構え、3代(?)に渡ってメガネ作りをしてきた工房で、コルビジェのあの有名な丸メガネもこの工房が製作していたものです。パリの老舗ブランドらしく、様々な色合いのべっ甲色が魅力的なハーフアイが用意されており、女性の方に提案したくなる明るめの色や柄のタイプもありました。リーディング・グラスが目的でしたが、コルビジェのモデルや、その他クラシックなパリらしいラウンドのメガネなども魅力的でしたので、採用しました。
そしてCaroline Abram。やはりフランスブランドで、パリにショップも構える女性ですが、こちらは色に特徴があるブランドです。ムラサキ、グリーンなど、やや個性的な色が多いものの、色の組み合わせ方が絶妙で、派手すぎない華やかさや楽しさが魅力的なブランドです。男性が掛けられるモデルもありますが、3月に新しく女性向けに改装した代官山の店をメインの紹介店舗に考えて導入を決めました。今グローブスペックスに並ぶ品揃えに新たな魅力を加えてくれるブランドですので、入荷をご期待下さい。
ミラノでかなり関心を持ち、導入を検討していましたが、決めました。UNDOSTRIAL。一昨年くらいからDerome & BrennerのXavierや複数の有力者から評判や推薦を聞いていたブランドです。MIDOで新しい構造のウッドを利用したフレームを発表しており注目していましたが、何よりも調整が可能なウッドフレームである事と、フォルムが既存のブランドとは異なる魅力的なデザインであった事が決め手になりました。バッファローホーンやべっ甲など今までも天然素材の眼鏡は扱っていますが、ウッド(木)に関しては調整が出来ないものが多かったので導入を見合わせていました。UNDOSTRIALが新しく作り上げたウッドのデザインは完全に木だけで作られているのではなく、シートメタルのフレームをベースに表層が殆ど全部木で覆われている構造なので、取り扱い上はシートメタルのフレームと同様の調整や快適性を持ちながら、木の質感が存分に生かされています。これなら日本のお客様にも紹介出来る! と思いました。
UNDOSTRIALのウッドを使用したフレーム
モデルで面白かったのがFace a Faceの限定サングラス。女性のリップとハイヒールをデザインに取り入れた、各色全世界200本のサングラスですが、新しいチャレンジがある面白いデザインだったので発注。
そしてNYを代表するブランドの一つ、Selima。始め知り合った頃はまだコレクションを卸す事もしていなくて友達としてスタートし、自分がグローブスペックス開始の準備をしていた頃には旅費も乏しい中、ご主人とお子さん達の住む家に居候させて貰っていた、そんな関係です。
昨年NYに行っていなかったので、少し様子が分かりにくくなっていたSelimaでしたが、マンハッタンに着いてみるとNYで活躍する彼女のパワーと勢いに驚かされました!
最初に招待されたのはJack Spadeとのコラボの発表パーティ。SOHOにあるJack Spadeの店舗で行われました。招待されていたのは眼鏡業界の人ではなく、ファッションとメディア関係者が中心で、とてもオシャレな雰囲気の発表パーティでした。Jack Spadeのブランド全体はアメリカントラッドをベースとして、でも伝統的な重々しさではなく軽快感や楽しさを加味した提案内容でしたが、今回発表していたSelimaとのコラボもボストンタイプやウェリントンなどのプラスチックはセリマらしい軽快なカラーを使う事で上手くブランドとマッチさせていて、メタルのティアドロップはレンズにミラーを使う事でただレトロに終わらないデザインに仕上げていました。セリマの店のウィンドウも共通でこのJack Spadeコラボを推す内容になっていて、この招待状にある様なパリとNY、白黒の人と動物のイラストをモチーフにしたオシャレなものでした。
Jack Spadeコラボ発表のパーティ
Bond 7店のウィンドウ
また別の夜に招待されたのが、JUNE AMBROSEとのコラボサングラスコレクションを発表と誕生を祝うパーティ。会場は人気のミートパッキングエリアにあるホテル、THE STANDARDの最上階にあるクラブで、マンハッタンを一望できる事と、階段を上がると屋上まで開放的なクラブになっている、非常に格好の良いNYらしいスペース。JUNE AMBROSEは大人気の米国トップスタイリストで、Luther Vandross, Mariah Carey, Will Smith, Jamie Foxx, Jay-Z, Mary J. Bligeなどなど、数多くの人気セレブ達のスタイリングや衣装を手掛けています。会場にはご本人も来ていて、関係者や音楽の選曲も非常にオシャレでした。Jack Spadeとは全く異なる、音楽やクラブをベースにしたファッションの世界とのコラボと言えるでしょう。こちらの発表内容はビンテージ感とファンキーなイメージを強調し、とても勢いのあるデザインで、都会に似合う格好の良いサングラスコレクションでした。
June Ambrose コレクションのパーティ
中央の女性がJune Ambrose
今回のNY訪問の目的の一つは、2年に一度のペースで、グローブスペックスの店舗にて行っているSelimaとのトランクショーの内容打ち合わせです。今年は5月の終わり、26日と27日に開催を予定しています。
Vision Expoの終了後、SelimaのオフィスがあるBond 7の店舗で打ち合わせをしましが、やはりJack Spadeの店舗と同じウィンドウディスプレイを施してあり、複数のセリマの店とJack Spadeの店と一緒にコラボコレクションの立ち上げを街中のキャンペーン的に盛り上げていました。
NYに幾つかあるセリマの店の中でBond 7の店舗はアイウェアだけではなく、服、バッグ、靴、アクセサリーなど多岐のファッションアイテムが並び、内容も最新のものからビンテージのデッドストックものなど、ファッション好きには堪らない品揃えがあります。個人的にも欲しいものが沢山ありました。
セリマの世界観を多面的に伝えるため、今回のトランクショーもアイウェアだけでなく、Bond 7の店舗にある沢山のアイテムをセリマと一緒にセレクトしました(お宝が多かったので少々叱られましたが)。選んだアイテムの一部をご紹介しますと
70年代のペルソールの眼鏡フレーム
70〜80年代のカザールやエミリオ プッチなどのアイウェア
70〜90年代のエルメスの様々なアクセサリー(これは特に素晴らしかったのでご期待下さい)
エルメス、グッチ、その他のブランドの70〜80年代のビンテージスカーフ
HARUMI のアクセサリー
その他多数のブランドのリング、ブレスレット、ピンなど、多岐に渡るビンテージのジュエリーとアクセサリー
Selimaのハット
セリマのアイウェアは最新とビンテージのセリマ、発表になったばかりのJack Spadeとのコラボアイウェア、同じくデビューしたばかりのJune Ambrose とのコラボコレクションなど、セリマ アイウェアのコレクションも豊富な内容をご用意します。
June Ambroseとコレクションのアイウェア
今回NYに行った際に、NYでのセリマのパワフルな勢いや、数々のファッション関係者とのコラボなど、NYで起こっているセリマの周りのホットな空気をもお知らせしたいと考えています。イベントをサウンドで盛り上げるために、今回はセリマの息子で現在大学生ながらDJもしているTheo(テオ)がイベントでのDJとして参加してくれます。DJネームはKID MERCER(キッド マーサー)です。
Selimaの息子でDJのTheo
大変に盛り上がるイベントになるかと思いますので、ぜひご期待下さい!
以上が3月に訪ねたヨーロッパとNYの出張の内容報告です。
今月から6月くらいに掛けて、今回ヨーロッパとNYで仕入れしてきた様々なアイテムが入荷してきますので、ぜひ店頭と入荷時のブログをチェックして下さい。
ではまた店頭でお会いしましょう!