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2012 ミド展/ヴィジョン・エクスポ速報〜その1ヨーロッパ編〜

グローブスペックスの岡田と申します。


毎年3月は展示会があって海外出張の季節ですが、今年もミラノのミド展とNYのヴィジョン・エクスポに行ってきました。展示会以外にも何カ所か回りましたので、3月は殆ど日本を留守にしていました。魅力的な新しいブランド、新作にも多数出会いましたが、その他今年この後に皆様にもご紹介出来るイベント開催するためのデザイナーとのミーティングなども幾つもありましたので、皆さんの眼鏡選びの参考にして頂いたり、今後の傾向をお知らせするために、3月に2回海外に出た出張の内容を報告しようと思います。


今回はあえて新しい「モノ」の写真は殆ど載せずに、文面を中心にご紹介しますので、想像力を働かせてご覧下さい。実際の新作は到着までお楽しみに。

飛行機から見下ろしたアルプスの山脈


3月の上旬からまず向かったのはヨーロッパ。最初の滞在地はオーストリアのウィーン。グローブスペックスのスタート当初からご紹介し続けているバッファローホーン製品の名門、ハートマンと、毎年9月に帽子のトランクショーを行ってくれているミュールバウアーの本拠地です。ウィーンは内陸だけあって気温は最高でも5℃と寒かった!

ハートマンは小さな工房で、やはりウィーンにある自身の店とグローブスペックスで扱う商品だけを作っています。今回も欧州的でクラシックなホーン眼鏡と、ホーンを使ったアクセサリーや小物を目当てに訪問しましたが、期待は裏切られずに良いものがありました。リーディンググラスのハーフアイも若干仕入れしました。

ハートマンで仕入れたホーン製品の一部


ミュールバウアーではその直前にパリで発表していた次の秋冬物の帽子をリサーチし、毎年9月に行っているトランクショーのアイテムを打ち合わせしました。今年秋に開催予定のトランクショーの内容です。ミュールバウアーは4代続いており、伝統あるハットメーカーなのですが現在の代表であるクラウスは、伝統のノウハウを継承して大切にする事と、全く新しい事へのチャレンジ、と相反する事をバランス良く行う才覚に優れています。今年も斬新なチャレンジが幾つものデザインになっていました。ブリーチしてグラデーションをかけたフェルトハット、以前ツバの部分にニットを用いていたハットの新しいバリエーションが作られていました。今度は頭に被るクラウンの部分がニットで、ツバがフェルトになっているハット、ボリュームがあるニット帽の裾を折り返すとその部分がニットのツバの様な効果を出すウールキャップ、イギリスで見付けてきた魅力的な色・パターンを有するウール地のハンチングやキャップ類、などなど盛りだくさんです。そしてもちろん伝統的でオーセンティックな定番帽子も継続しています。ミュールバウアーのトランクショーは9月16日(日)に開催予定です。(もちろん今年も豊富なデザインを揃えた上で、色、サイズ、飾りのリボンなどもお好みでカスタマイズ出来ます)お楽しみに。

ウィーンの町並み


ウィーンの後はロンドンに寄りました。ここで面白かったのは街の変化とファッションです。特に面白かったのはイーストエンドと言うロンドンでも東の外れの方にある地域で、もともとはあまり裕福ではなかった地域であり、工業的な施設が多いエリアでしたが、以前仲良くしていたデザイナーのアトリエも在った地域で、当時はゆっくりと地元のアーティスト達が集まってきていましたがこの5年ほどで大きく変貌して、そのインダストリアルな雰囲気をファッションや飲食に利用し、非常にアクティブでエネルギーに溢れる街に変化しています。このエリアのファッションで非常に興味深かったのは、Babourや英国のオーセンティックな靴ブランドの店などが並んでいるものの、ロンドン中心地域の伝統的な雰囲気とはかなり異なり、若い世代が髪のサイド部分は刈り上げて上の方は伸ばしたモヒカンスタイルのパンクなヘアスタイルとその様な伝統的なブランドの定番アイテム、そして古着などと組み合わせたスタイルが非常に面白かったです。英国の伝統的なアイテムを全く新しい解釈でファッションにしている点は英国外にも影響を与えていきそうな気がしました。

ロンドンのサヴィルロウの一角


そしてミラノ入り。今年のミドは日曜日から始まり火曜日まで。通常金曜日から始まる事が常なので今年は異例でした。日本を出る前、連日新聞やニュースではヨーロッパの金融不安の話題が報じられ、ギリシャ、スペイン、イタリアなどをかなり危惧するニュースが続いていたので、景気の先行き不安から低調な展示会になるのかと想像していました。とんでもなかったです!初日は大変な盛況ぶりで、平日に終わった最終日までかなり賑わっていました。多くのブランドがとても良い業績を上げられた事を喜んでおり、街中を見ても昨年や一昨年の方がブランド店の中に人が疎らだったのですが、今年はどこの店もかなり混んでいました。

ミラノの大聖堂


会場内の作り手の様子は、と言うと、今年のミドは非常に意欲的なチャレンジを行っていたブランドが多い!と言うのが一番の印象です。見た事がない新しい構造を作り出しているブランドも幾つかありましたが、今年の会場で目立っていたのがウッド(木)を素材に使ったフレーム。以前から木を使ったメガネはありましたが、今回のミドは今までにないほどこの素材使いにチャレンジしているブランドが目立ちました。フレーム全て木で出来ているものもあれば、他の素材とうまく組み合わせているブランドもありました。調整に難点があり、アフターケアを考えると導入を見合わせていましたが、その点もクリアしつつあるブランドも登場していました。今回は見送りましたが、今後の進化に注目して導入を検討したいと思います。

MIDOの会場


個別のブランドで特徴的だったものをかい摘んでご紹介します。

まずはアン・バレンタインのSOTTSASSシリーズ。エットーレ・ソットサスはイタリアの建築家・工業デザイナーで、欧州のデザイン誌ではかなり取り上げられる事が多い巨匠です。このソットサスをテーマに置いたコレクションでは、ソットサスが作ったオブジェの構造や、独特なカラーリングをアン・バレンタインのメガネに取り入れており、今までに見た事がない作りの楽しいメガネに仕上がっていました。フロント、テンプル、智の部品(フロントとテンプルを繋ぎ合わせる部分)が全て異なる色使いで、智の構造が見た事がない新しいものになっていてSOTTSASSを最も感じる作りです。

その他のシリーズも意欲的なデザインが目立ったアン・バレンタインですが、特に印象に残ったのがこのSOTTSASSでした。なおSOTTSASSには全世界で70本限定の特別モデルがあり、日本には僅か2セットだけ入ってくる予定です。

SOTTSASS のデザインしたオブジェや彫刻


次はロバート・マーク。毎回NYの都会的な雰囲気を伝えてくれるブランドですが、今回は色使いが素晴らしかったです。形はロバート・マークらしく、シンプル、シックで都会的な、いつものらしさに溢れるモノでしたが、今回はデザイナーご本人も、完成品が仕上がった時に自身の作品を見てとても満足して感嘆したそうです。どんな感じかをご紹介すると、ほどほどに華やかさや明るさがあるけれども、決して派手ではない上品さがあり、躍動感とシックさのバランスがとても良い! と言うのが今回のロバート・マークの印象です。


エマニュエル・カーン。70〜80年代に大変な人気のあったブランドで、復刻した今のエマニュエル・カーンも当初は当時の人気があったモデルに絞ってご紹介していましたが、今回は新しくデザインした新作の数々が素晴らしかったです。今現在のデザインと製造のチームも、当初はオリジナルの過去のモノを忠実に再現する事に力を入れていたようですが、元々あったエッセンスは崩さないで新しいデザインを少しずつ加えて行き、今回はその出来栄えが素晴らしかったです。パリのブランドらしく、クラシックな黒やべっ甲色を中心としながら、ネイビーやボルドーなどの取り入れ方が、ロバート・マークとは異なる華やかさとシックさのパリ的なバランスで行われていて、パリのオシャレ感が溢れる新しいレトロなメガネのコレクションとなっていました。エマニュエル・カーンはもう直ぐ入荷予定です。


REIZは派手ではないものの、非常にライツらしい格好の良さを非常に上手に新作で表現していました。特定のモデルが良かった、と言うよりも発表内容全体のレベルが高かったです。ブランドとして熟成と進化を遂げたのでしょうね。

ic! berlin はシートメタルに細かい穴を沢山パンチングして、レンズ無しで陽を除けるサングラスが面白かったです。これは早くも入荷しました。

また弊店でも人気が高いあるブランドの海外展示会場を訪ねたところ、日本では未導入の魅力的な作品がかなり在る事も分かり、この様なモデルも入荷する予定です。どうやら全国を考えると難しいかも知れないけれども、より面白いデザインが求められる一部地域向けの様なモデルと言うものが存在し、既存取り扱いブランドの中にも新たな発見がありました。

その他の色々なブランドでも、今回のMIDO ではここ数年景気を反映して手堅い印象の発表が続いていた事から比べると、新しい事へのチャレンジをしているブランドが目立っていましたので、この4月から6月ぐらいにかけて店頭に入荷する新作は楽しいモデルが増えますのでご期待下さい。


なお、弊社が代理店をしています、ロバート・マーク、フロイデンハウス、アン・バレンタイン、ラ・ループ、ザ・スペクタクル、ルノアに関しましては4月同21日(土)・22日(日)は渋谷店、同28日(土)・29日(日)は代官山店にて、このミドとNYのヴィジョン・エクスポで発表された魅力的な新作をいち早くご紹介・受注させて戴くイベントが一番早く見られる機会になりますので、ぜひお越し下さい!


次はNYのヴィジョン・エクスポの様子をご紹介いたします。