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GERNOT LINDNER-STORIES BEHIND(ブランドに秘められた物語)

ゲルノット・リンドナー。その名を聞けば眼鏡業界のみならず、知らない者はいないほどの、眼鏡界の重鎮中の重鎮です。にも関わらず、ご本人は本当に気さくで眼鏡の話をする時はまるで少年のように目を輝かせて話してくれるのです。絶えることない眼鏡への情熱や好奇心は時に眼鏡だけでなく、ジュエリーやアクセサリーにも注がれる事もしばしば。「そのネックレスはゴールド?とても美しいね」と手にとっては嬉しそうに眺めていたりと、多くの人をたちまち魅了してしまう偉大な重鎮なのです。

ゲルノット氏はドイツのアイウェアブランドLunorの創業者・初代デザイナーで、美しい眼鏡を数多く産み出してきました。数年前に友人家族にLunorを託し、眼鏡界からは引退してしまったと誰もがそう思っていた矢先の2018年、突如として自身の名前を冠したブランドを携えて鮮烈なカムバックを飾ったのです。ゲルノット氏が諦めきれなかった夢、それは「シルバーの眼鏡」を作ることだったのです。何故なら、ゲルノット氏にとってスターリング・シルバー925の色は、メタルの中で一番美しいと思う色だったからです。

スターリングシルバーの眼鏡が殆ど作られていなかったのは、シルバーの弾性の無さ、また接合の難しさから加工がとても難しかったからで、実際ゲルノット氏でさえも商品化するまでに3年の月日を要しました。

 

様々な困難を乗り越えて確立された製造過程で最も特徴的なのは、金型からパーツを作るときに、300トンの力でプレスしてシルバーに弾性を与えることです。またロー付けではしっかり接合ができない為、レーザーで接合している事。これは前例が無く、レーザー接合のための機械をなんと自社で作ってしまったという驚きのエピソードもあります。

シルバーの美しさを出す為に、手作業にかける時間は実に通常のメガネの4倍にも及びます。一本のフレームを磨くのにかかるのはおよそ1時間。他のメタルフレームの倍の時間をかけて生み出されるのです。拘り抜かれた製造を経て、フレームには堅牢さと柔軟性が与えられます。

2019秋冬、SILMO展では新作発表の無かった「GERNOT LINDNER」ですが、どうやら2020年春に向けて準備中のフレームがあるようです。どんな美しいフレームがまた産み出されるのか、今から本当に待ちきれません。