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映画とメガネ「Paris is burning」(パリ、夜は眠らない)

ちょうど今年はLGBTQの歴史に名を残す「ストーンウォールの反乱」から50年。NYでも「NYC Pride」が行われたばかりですね。

そんな今回は「パリ、夜は眠らない(Paris is burning)」をご紹介させていただきます。

 

80年代のNYハーレムで育ったアンダーグラウンドなドラッグクイーンカルチャー「ボール」(ゲイコンテスト)やそこに生きるドラッグクイーン達を映したドキュメンタリー映画です。(題名にパリとありますが、パリは全く出てきません)

 

リッチでストレートな白人社会から疎外され、日の目を見ず影で生きている彼らですが、それでも白人社会を真似し、誰もがどんな人にでもなれる夢の場所が彼らの作り出した「ボール」なのです。

 

ウィットの効いたジョーク(毒舌)で相手を批判しあう「リーディング」や有名な雑誌のポーズから着想を得たダンスバトルをする「ヴォーギング」など、自由な価値観の中から生まれたファッションで競い合っているのです。ボールで有名になる事こそが彼らの世界での頂点であり、そこに全ての情熱をかけて出場するのです。参加者は皆、個性的でキャラクターの強い人々だらけの集団に見えますが、そこには自分らしさを認めてもらいたいというあまりにも純粋で愛おしい彼らの願望が見えてくるのです。

※ニューヨークのハーレムで生きるゲイは、自らのコミュニティーの事を「パリ」と呼ぶそうです。

 

80年代、黒人、ゲイカルチャーと聞くだけで生きづらい話だと思ってしまうが、その中でもタフに楽しく生きようとする彼らの姿に惹きつけられます。お金がないのでボールに出場するファッションは全て手作りなのですが、ファッションスタイルも独特でヘアメイク、小物に至るまでの独特の美意識とこだわりは現代では見ることのできないスタイルについつい見入ってしまいます。コンテストは様々なカテゴリーに分けられており、その部門にあったスタイルを競い合います。スパンコールのドレスに毛皮やゴールドを多様したゴージャスなスタイルから割とめちゃくちゃなミックススタイルも出てきますが、自信を持って堂々とポーズを決める彼らはとてもパワフルで魅力的に見えてきます。そう、スタイルとは着る人が生み出す唯一無二のものなのだと思わずにはいられません。

ゴージャスなドレスにサングラス。

【AHLEM】

暗いレンズにローズゴールドのリッチな組み合わせはモード感たっぷり。キャットアイのメタルサングラスで女性らしさが際立ちます。

【Anne et Valentin】

下リムが鋭角に上がったフォックススタイルはフェミニンでエレガントな象徴。女性だけが掛けられるこのスタイルは力強さと女性らしさを両方兼ね備えます。

 

司会の男性のサイドがつり上がったブラックフレームは表情を際立たせ、スタイリッシュな印象に仕上げてくれます。

【The Spectacle】

【The Spectacle】

パッションとファッションが絡み合うとこんなにも魅力的に人は変わることができるのだと思わずにいられない映画です。

ストリートで生きる彼らが何気なく掛けているメガネのフレームも面白く。古びてクタクタなNIKEのティーシャツにメタルフレーム、黒の開襟シャツにナードな大きめブラックフレームなど、みんな思い思いのスタイルを楽しんでいるのです

【Lunor】

【Lunor】

【Lesca LUNETIER】

【Lesca LUNETIER】

 

例え生きづらい世の中であっても楽しさを見つけて自分らしく生きていこうと言う彼らのスタイルの現れになっているように見え、時代背景も含めて興味深く見る事ができます。アイウエアやサングラスも様々な場面に登場するので、気になる方は是非ご覧になって見てください。