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Gernot Lindner コレクションの誕生(後編)

グローブスペックスの他のメンバーもゲルノット氏のデザインを目の当たりにすると、一様にその美しさに対して驚くほどの感嘆がありました。

昨秋にゲルノット氏を訪ねてインスブルックに行った際にも、店での取り扱い以外に日本での総代理店をやる事も考えて欲しい、と言われていました。これだけ美しく、高いクオリティーで完成されたゲルノット氏のコレクションですから、こちらからも望むところでした。
今年に入って直ぐにもう一度ヨーロッパを訪ねるタイミングを話し合い始めました。

2月に入ってから直ぐくらいがタイミングが良い、との事で2月の1週にまたヨーロッパに行く事になりましたが、今回はなぜかインスブルックではなく、ミュンヘンから車か電車で2時間ほど行った町にある、コレクションの工房がある場所にぜひ来てくれないか?と言ってきました。
最初にインスブルックでコレクションを見た際に、スターリングシルバーの難しさを克服するために数年間努力を重ねて研究してきた、と言われていたので、「ああ、それがどう言った事なのかを紹介してくれるのだな」と理解しました。
5年前、2013年にフランスのLesca Lunetierを紹介し始めた頃、レスカのデザイナーであるジョエル氏にフランスの伝統的な眼鏡生産地であるジュラ地方の工房や職人の作業を紹介され、深く感銘を受け、その眼鏡の背景にある世界を雑誌に紹介して頂いた事がありました。今回のゲルノット氏の新コレクションも、眼鏡の背景にある世界や人が大きく関わっている事が想像出来たので「雑誌の人達と同行して、記事にして貰っても良いですか?」とゲルノット氏に尋ねてみました。「そんな事が出来るのか?ぞれはぜひ!」との回答をでしたので、Gernot Lindnerのコレクションも雑誌取材を兼ねてドイツに向かうことになりました。


飛行機に乗る事11時間くらい、2月のミュンヘンに着いてみると、小雪との予報でしたが空港から一面銀世界でした。

そこから電車で2時間ほど行き、Passauと言うドイツ東南の端にある町に着きました。ゲルノット氏が駅まで向かえに来てくれ一行は山の中にあるホテルへと向かいました。

Passauの町はドイツの地方都市といったところですが、我々が向かう工場はそこからかなり山の中に入ったエリアにあります。ジュラの山村を思い出します。夏場は農業や放牧が盛んであり、有名なゴルフコースなどもある様ですが、銀世界の2月は閑散としていました。ホテルから5分ほど車で走ると、雪が積もった丘陵に目指していた工場が見えてきました。


早速一代で工場を立ち上げたヘルムート氏と、一緒に工場を運営するご子息のラルフとマニュエルに紹介されました。ヘルムート氏は「久しぶりだね!」と挨拶してきました。どこかで見覚えがある、と思っていたら20年前にグローブスペックスを立ち上げた際に、シュツットガルトにて、ゲルノット氏より技術者として紹介されて会っていた方でした。

(前列左からマニュエル氏、ラルフ氏、ゲルノット氏、岡田、ライター板倉氏)

またゲルノットの新しいコレクションがスタートする際に、物作りの面からデザイナーを支える技術者の方に再会出来た事はとても嬉しくありました。

ミーティング室でコレクションの概要と、工場の簡単な説明を受けた後、いよいよスターリングシルバーの眼鏡コレクションを実現した製造の現場を見せて貰う事になりました。

工場スペースに入ると一つのスペースだけでちょっとした体育館くらいの広さがあります。

様々な機械がありましたが「どの辺がスターリングシルバーのためのエリアなのですか?」と尋ねると、「この部屋全体がスターリングシルバーだけのための製造スペースなんだよ」とのことです!こんなに大きなスペースと、実に様々な機械が置いてありますが、これが全てスターリングシルバー眼鏡の製造だけに使われている!驚きました。
確かにここには、幾つかの工場スペースがあり別の部屋には、他の金属素材の加工、メッキ、プラスチック素材の製造加工のスペースなどが分けられていました。
でも全体の中でも純銀製の眼鏡の製造に特化したスペースは特に大きく、このコレクションに賭けるゲルノット氏とヘルムート氏の意気込みが感じられました。

一つ一つの工程と機械の説明を受けていくと、なるほど、全ての工程に純銀を扱うための細かい配慮がなされており、また他の金属素材には使わない専用機械や金型が多く使われていました。企業秘密の部分も多いので細かい説明は割愛させて貰いますが、


例えば純銀部品同士を接合する方法も、通常眼鏡で行うロウ付とは全く異なっていました。そして美しい光沢を持つ素材を傷付けないように、使われる金型にも特別に微細な研磨が施された、驚くほどスムースな感触の道具が使われていました。

これらの製造機械や道具も、全て自社工場で開発して作ったそうです。ゲルノットの繊細で美しいデザインを実現する工程は、それそのものが拘りと微細な配慮の連続でした!

 

 

全ての工程を見て説明を受け、よりコレクションに対しての惚れ込みと日本で紹介する事への自信が持てました。同行した編集者の方とカメラマンの方は、お2人とも今まで眼鏡を掛ける事は無かったそうですが、今回の取材を通じて2人ともGernot Lindnerをとても気に入って頂き、眼鏡デビューする事になりました!デビュー眼鏡がGernot Lindnerとは何とも贅沢ですが、Passauまで一緒に来て頂いた取材の記念としてぜひご愛用頂きたいと思います。


この工場ではもう一つ嬉しいニュースがありました。ブリッジを鼻に直接乗せて掛ける一山式ブリッジのタイプは、欧米の仕様のままで掛けられる日本人の方は少ないのです。

昨秋にゲルノット氏に会った際には、「日本からの注文がある程度まとまった数に達したら、アジア仕様の一山式ブリッジを作る事が出来る」と言われていたので、始めは欧米式のままでも掛けられる人達のために少量から導入し始め、後から日本仕様をまた交渉しようかと考えていました。


なんとゲルノット氏とヘルムート氏は、今回の我々の訪問に先駆けて日本仕様の準備をしてくれていたのです!同行した日本人4人それぞれが、プロトタイプの一山式ブリッジの純銀製の眼鏡を試してみると、誰が掛けてもピッタリです!

これで始めから日本のお客様にも掛けやすいGernot Lindnerコレクションが紹介出来るメドが付きましたので、大きな努力と投資を行って日本のユーザーをも喜ばせてくれようとしたゲルノット氏とヘルムート氏に心から感謝の意を伝えました。

 

滞在の期間中はずっとドイツバイエルン地方ならではの料理とビールが振る舞われ、皆でこの素晴らしいコレクションの誕生をお祝いしました。

この取材記事はエイ出版社から2月24日に発売されたClutch Magazineに掲載されています。

そしてこのGernot Lindnerコレクションの日本でのデビューにあたり、ゲルノット・リンドナー氏自身が4月の第1週に来日されました。メディア取引先の方々へコレクションをご紹介するレセプションを開催し、また4月7日(土)には1日だけユーザーの方々にも直接ゲルノット氏から全てのモデルをご紹介出来る特別なイベントをグローブスペックス渋谷店で開催し、大変な盛況で日本デビューを果たしました。

今現在日本仕様のモデルの一部を待っているところですが、間もなく店頭でもご紹介出来る様になりますので、もう少々お待ち下さい。お楽しみに!