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Gernot Lindner コレクションの誕生(前編)

こんにちは。グローブスペックスの岡田です。

1990年にブランドが誕生し、グローブスペックスをスタートした1998年以来ずっと紹介し続けてきたドイツのルノア。世界的に有名なアンティーク眼鏡のコレクターでもあるゲルノット・リンドナー氏が創始者でありデザイナーでした。ゲルノット氏の豊富なアンティーク眼鏡の知識が生かされ、ルノアの眼鏡のデザインには、アンティーク眼鏡からインスピレーションを受けた美しいデザインディテールや機能的な機構などが施されています。

グローブスペックスが誕生してから20年間、大変多くのファンに愛されてきたブランドであり現在でも大人気です。世界的にも、スティーブ・ジョブス、エルトン・ジョン、ジョニー・デップ、マドンナ、メグ・ライアン、ブルース・ウィリスなど、多くの著名人にも愛用されてきました。


ゲルノット氏のデザインの極意は、プロポーションとバランス。デザイン全体の中に割り振るレンズの形や大きさ、ブリッジ、テンプル、そしてもっと細かい小さな部品の数々。

 

それら全ての「プロポーションとバランス」の煮詰めが素晴らしいのです。そしてまた、ゲルノット氏の頭の中にある、中世からのアンティーク眼鏡の美しいディテールエッセンスが奢られるのです。

たとえその様な背景など知らなくても、メガネ自体が強力なオーラを持っていて、派手では無いのにグローブスペックスを初めて訪ねるお客様でもディスプレイの前に足が釘付けになり、試着し始める方が今も数多くいらっしゃいます。

 

2010年を過ぎた頃から、ゲルノット氏は少しずつデザインから遠のき始めました。

「ゲルノットもそろそろゆっくりした時間が欲しいのかな・・」などと思っていました。

 

数年音沙汰がなかったのですが、一昨年にゲルノット氏から「テツヤ、今新しいコレクションの開発と研究に取り組んでいるので、出来上がったらぜひ見てくれないか?」と連絡がありました。
「そうなんですね!いつ頃出来上がる予定ですか?」と尋ねると、「非常に美しいコレクションになる予定なんだが、難しい課題もあり、あと少し時間が必要なんだ」と答えてきました。「では用意が出来たら連絡を下さい。その際には伺って見に行きますので!」とその場を締めくくりました。

 

それから1年ほどが経ち、昨年の春に「前に伝えていたコレクションがついに完成したんだ。ぜひ見に来てくれないか?」と言う連絡を受け、昨年の秋にパリで行わる展示会に行った際、ゲルノット氏が居るオーストリアのインスブルックに行く事になりました。

オーストリア、チロル地方の州都で、冬季オリンピックも2回開催されたことがあり、ウインタースポーツや登山で有名な美しい山間の町です。

空港まで4WDの車で迎えに来てくれたゲルノット氏は、数年ぶりに会いましたが以前にも増して元気そうな様子です。30分ほど車を走らせて山道を登っていくと、目線の高さに雲が見える山あいに、ゲルノット氏の自宅兼デザインアトリエがありました。


「これなんだ。テツヤ、見てくれ」、と言われて見せられた新しいコレクションに驚きました!

「これは予想をはるかに超えてきた!」と言うのが、Gernot Lindnerコレクションの最初の印象です。そして一つ一つディテールを見ていくと、やはりゲルノットのアンティーク眼鏡の知識から、今回のコレクションにもアンティーク眼鏡のエッセンスが非常に効果的なディテールとしてふんだんに盛り込まれています。

「全てスターリングシルバーで出来たコレクションなんだ」。美しい色味と光沢は純銀の素材からきているものでした。中にゴールド、ローズゴールド、少しだけグレーみが掛かったパラジウムの色のモデルもありましたが、それらも全て純銀の上にコーティングが施されたものでした。


時折お客様からも「純銀製の眼鏡は無いのですか?」と問い合わせを受けることがあり、自分自身も純銀の質感はとても好きなので以前眼鏡の素材として純銀を使用したブランドを扱ってみたことがありますが、素材がかなり柔らかいため理想的な調整状態を維持することが難しく、すぐに曲がってしまう事が難点でそれ以来純銀の眼鏡は取り扱っていませんでした。

その危惧もあって、ゲルノット氏のコレクションのテンプル(ツル)を少し曲げてみたり、バネ性を確かめようとして素材を押し曲げたりもしてみました。「なんだ!この感触は!?」。以前に扱ったことがある純銀製の眼鏡とは全く異なる感触です。「すごいだろ?この弾性と剛性を持たせるのに3年間ほど職人達と共に研究を重ねていたんだ。やっと眼鏡に不可欠の快適な弾性と、調整を安定させるクオリティーが出来上がって、コレクションが完成したんだ!」。興奮気味に話すゲルノット氏の様子から、今までの苦労と努力がやっと実を結んだことが感じられました。

「このクオリティーなら自信を持って日本でも紹介出来る!」と確信しました。でもこの作り込みと純銀素材の組み合わせであると、相当高額なのでは? と思ってヨーロッパで発売開始したばかりの値段を尋ねてみると、なんと日本円で10万円を切る価格だったのです。
理由を尋ねてみると、「中間業者や部位によって他の業者と分業するのでは無く、全ての部品と工程を昔から一緒に眼鏡作りをしてきた有能な技術者の工場で一括して作ったことで余計なコストが抑えられ、この価格が実現出来たんだ」。

これはもう迷うところは無い!と思い、その場で最初に日本で紹介するモデルの選定をし始めました。

日本に帰り、2017年の暮れには商品が到着する予定でしたが、少し遅れて今年の年明けにGernot
Lindnerのコレクションは日本に到着しました。 (後編に続く)